不選任の決定

仮にあなたが裁判員候補者に選ばれ、呼出しの期日に裁判所に出頭したとします。

裁判長からの質問にも答えた後、「あなたは今回不選任となりました。」と裁判長から言い渡されました。

あなたにはさっぱり理由がわかりません。

「どうして自分じゃダメなのか?」と、当然気になりますよね。

でも裁判員選任手続においては、このように理由を説明しないままで、不選任の決定をおこなうことができてしまうのです。

これは裁判員法36条に規定があります。

このような制度が認められた背景には、英米法による陪審員制度の中で認められている”専断的忌避”の考え方があると言われています。

検察官と弁護人は、裁判員候補者の中からそれぞれ4人まで、理由を示すことなく「不選任の決定の請求」ができるのです。

そして裁判所は、不選任請求を出された候補者につき、「不選任の決定」をおこなうことになります。

結局理由も何もわからないまま、裁判員になれなかったあなたとしては、気分が良くありませんね。

正直、この制度の正当性を説明することは難しいと思われますが、客観的に見てこの人には公正な裁判をおこなうことが難しいのではないかと思われる人も候補者の中には存在するでしょうし、検察官と弁護人の経験に基づいた勘を信用するということなのかな、と思います。